一時的ではなく、喉が渇いた状態が数か月以上続いているのなら、何らかの病気を疑う必要があります。特に45歳前後で喉の渇きを感じているのであれば、更年期症状が原因である可能性が高いです。「口の中」の項でも書きましたが、更年期のホルモンバランスが崩れる影響は、身体のあらゆる部分に出現し、口の中にも影響します。唾液の分泌が減ると、ドライマウスになりやすく、口のなかが渇くだけでなく、のどのつまりやイガイガした違和感、粘つきや舌の痛み、食べ物を飲み込めない、口臭、しゃべりにくさなど、さまざまな不調が目立つようになります。喉の渇きを感じたら、ひどくなる前に医療機関を受診し、現時点での状態を確認してみることをおすすめします。
自分でできる対策
- こまめな水分補給
まず、喉の渇きをその場で緩和するため、こまめな水分補給を心がけましょう。利尿効果が強く、体内の水分を外に出してしまうお茶やコーヒーを避け、水を選ぶことをおすすめします。冷たい飲み物ばかりでなく、あたたかい飲み物をしっかり飲むことも大事です。 - ガム
ガムを噛むことで、顎や口周りの筋肉がよく動き、唾液の分泌を促すことができます。食後、口腔内は中性から酸性に傾き、歯の表面のエナメル質がやわらかくなるのだそうです。唾液が分泌されることで酸が中和されるため、食後はできるだけ早くガムを噛み始めるのがいいそうですよ。ガムは糖類を含む物や果汁を含む物は避け、天然の甘味料や、歯の再石灰化を助ける成分などが配合されている物を選ぶと、より歯にもよいですよね。 - 鼻呼吸
口呼吸は、口の中の乾燥につながります。口を閉じ、鼻で息をすることを心掛けましょう。寝る前は加湿器をつけたりボウルに水を張ったりして喉と鼻を加湿し、鼻の通りを良くすると、鼻呼吸がしやすくなります。乾燥を防ぐために、就寝時にマスクをつけるのも有効です。 - ノンアルコールタイプの洗口剤(マウスウォッシュ)
市販のマウスウォッシュにはアルコール成分が配合されている物があり、このようなマウスウォッシュは唾液の減少につながってしまうため、ノンアルコールタイプかアルコール成分が低いタイプがおすすめです。 - よく噛んで食べる
よく噛むと、唾液がたくさん出ます。唾液には食べ物のカスや細菌を洗い流す作用もあり、むし歯の予防にもつながりますし、食べすぎの予防や、口の周りの筋肉をつかうことにもなり一石多鳥なのでぜひよく噛むようにしてみてください。 - 唾液腺マッサージ
●耳下腺への刺激:耳の横を手指で後ろから前に向かってゆっくり回します。
●舌下腺への刺激:両手の親指をそろえ、顎の真下からグッと押します。
●顎下腺への刺激:下顎の骨の内側の軟らかい部分に親指を当て、骨に沿って5カ所くらいを順番に1~2秒押します。 - 口の体操
①上の歯が見えるように口角を上げ、端から舌を出します。
② 口角を上げたまま、舌をゆっくりと左右に動かします。この3往復を2回行います。
③ 顔のストレッチをするような感覚で、視線は上方を見つめます。
④口から思い切り息を吐きながら舌を下方にしっかり出し、鼻から息を吸いながら舌を戻します。これを5回行います。
出典:キッセイ薬品HP https://www.kissei.co.jp/patient/dry/saliva03/
のどの乾きを訴える方にはドライマウス用の口腔湿潤剤(ジェルタイプ・液体タイプ・スプレータイプなど)で対処することもあるようです。いろいろ試してみてはいかがでしょうか。